天明泥流について

 

      鎌原村を埋没させ、吾妻川に流入して熱泥流となる。吾妻川や利根川沿いに死者1400名にも上る大規模な泥流災害を引き起こした

      鎌原村の発掘調査では、高温の本質岩塊は少なく、火砕流によるものではないことが判明した

      鬼押出し園付近には長さ2km、幅500m、深さ50mの巨大なくぼ地に熔岩が埋まっており、そこにあった土砂が押出されたようである

      この土砂移動現象は、100km以上も下流に流下している。

 

天明泥流の原因

 

      鬼押出し熔岩流の一部が岩塊となって北麓の土砂を掘り起こした土石なだれ、又は山体の一部が崩れた、岩屑なだれ、水蒸気爆発などとその成因については不明の点が多い

      大噴火の中で、さまざまな特殊条件が重なったことで、たまたま生じた、偶発的でしかも副次的な出来事と考える人もいる

 

熔岩流および天明泥流(鎌原土石流)に関する既存の学説に対する疑問点

 

      何故か液状マグマが流出したという見方は少ない

      火砕物が落下したとき何故、火砕流が起きなかったか?

      火砕物ならば火口全周に堆積すると思うが、今回の熔岩は浅間山北斜面に限局している

      浅間山中腹(浅間園)から鎌原村までは約9km、標高差500m。かなりなだらかな傾斜であり、果たして高速のなだれ現象が起きるか?

 

浅間園から見た鬼押出し熔岩流(勾配はあまりない)


      土石流、岩屑なだれで長さ2km、幅500m、深さ50mの巨大なくぼ地を作ることが出来るか?

      水蒸気爆発などなら土石なだれが周囲へも拡がると思うが?

 

古文書の記録

      先山抜し吾妻川へ押出ス。其音百千之雷の如し。川より煙り出ル事夥敷、又泥水熱上ル事酒の涌が如し。

      (山抜けとは山腹の一部の土砂が時として崩れて落ちること、広辞苑より