熔岩流について
浅間山北斜面に二本の熔岩流あり。液状マグマが山頂を下り二方向へ流れ、マグマの流出は大量で、かつ一回きりである。
西側(右)はかなり高速で流下したが、流れが緩やかになるとすぐに固結し始めた。熔岩流は緩斜面では堤防は幅広くなり、熔岩が敷石状に固結(熔岩じわ)しはじめた。一方、中央部は急速に流れるので、両端に比べ熔岩の厚さは薄くなっている。急斜面では敷石状の熔岩は出来にくい。中央部の急斜面に多数の縦溝(熔岩流が固まるときに出来るクレバスとは異なる)があり、なにかにえぐられたような凹みがある。
東側(左)の熔岩流は北東方面に流れ、斜面全体に熔岩が徐々に固結し、堤防ははっきりしない。西側に比べ斜面が緩やかで流れが遅かったようだ。
熔岩流を考察する
浅間山北斜面に二本の熔岩流がある。これが鬼押出しと呼ばれる熔岩流で、天明3年(1783年)の大噴火の際に流れた熔岩である。この熔岩が斜面を下ったところに火山博物館があり、熔岩流が斜面を流れ下って、比較的平坦な山ろくまできて流れがゆるやかになっている。
二本の熔岩流のうち、西側(右)の熔岩流は液状マグマが北斜面に向かって流れ、その斜面には凹凸を認め、多数の縦溝(クレバスではなく、熔岩塊の流れた跡らしい)が出来ている。斜面中腹の凹凸は熔岩塊の堆積物が表層なだれを起こした跡と考えられる。熔岩流は斜面を流れ下って、比較的平坦な山ろくで固結している。これらの熔岩は、次で述べる鬼押出し園付近で見られる、塊状熔岩とは異なる。
東側(左)は北東方面(黒豆河原方面)に流れ、山の中腹から山麓にかけて熔岩が徐々に固結し敷石状(熔岩じわ)となっている。